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「枠組みの中から」     木賀 陽子

​素材:シラカシ、塗料

「枠組み」と言うと、ルールや規律などという締め付けの強い言葉を連想しがちだが

その連想は決められた価値観の中で定義されて印象付けられて来ただけのものである。

枠組みとは、単純に不変の理(ことわり)の事だと言い換えられる。

例えば、この会場である里山には天井や壁がない、というのも変えられない里山という自然の中の規律であり、枠組みである。

地面は土であり、夏になれば住宅地にはいないパワフルなヤブ蚊が飛び交い、オレンジ色が美しいスズメバチが飛来する。

ホワイトキューブの中ではあり得ない枠組みだ。

 

里山という枠組みに興味を持って何年経っただろうか。

枠組みというルールや規則を変えることを無理強いするより、その枠組みの中でいかに自由な方法で逸脱していけるか。

実験というワクワクするチャレンジを続けていきたい。

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