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「倒木の庭」

金井 聰和   Kanai Toshikazu

森を歩きまわると所々木が倒れているのに出くわす。

去年の台風か、ナラ枯れか、それとも寿命なのか。

倒れた木は、不意に現れた大きな裂け目のように森の中に独特な空間をつくる。

半ば森に沈んだ倒木のまわりの下草や低木を少しずつ払っていく作業は、感覚的には「森」という素材から「倒木」というかたちを掘り出すという感じに近い。

その作業から生まれる空間は、人と自然を橋渡しする「庭」なのかもしれない。

あるいはこの作業は、いずれ朽ちて新たな芽吹きの養分になっていく木々への
弔いなのかもしれない。

素材: コナラ、ビー玉、陶

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