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「ちらりと見てくぐりぬけ忘れる」

   (森の通り抜け)

岡 典明   Oka Noriaki

ヒトは忘却の天才だ。

いつもの通り道、いつもの場所、いつもの森。

普段何気なく見ている風景の、時々刻々と変化する様を見逃すことは容易い。

木々の枝で作られたトンネルは隙間だらけで、特別なようでそうでもない。

何やらぶら下がる金網でできた輪を目玉に見立て、隙間の形から生き物を想像したりしながらくぐりぬけるが、その先にある様々な作品を見て森を一周した後には、それがどんなトンネルであったかなど忘れているに違いない。

それで完成。

森のトンネルがそれぞれの日常の記憶に溶け込んだ証拠だ。

素材:森の木、金網、森の風景

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