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作品タイトル 「つなげる」   

                    堀江和真   

 

 森に行って少しぼんやりする。ずーっとぼんやりしていたいところだけど、夏はそれができない。蚊がたくさんいるからだ。蚊取り線香をいそいそと焚く。それから、のろのろと森に落ちている枝を集めにいく。枝が集まったら葉っぱをどんどんむしる。これを繰り返す。これくらいでいいかなという量になったら番線で枝と枝をつなげていく。ある程度の長さになったら、これをどんどん繋げて木の幹にくくりつけていく。その日用意した枝がなくなるまでつなげて一本のラインをつくる。すると、森の木々の中を蛇行しながら浮いているなんとも頼りないものができあがる。これで一日の作業はおしまい。

これを何度も何度もくりかえす。たまにこの作業を手伝いに来てくれる子どもや大人が来て、一緒に作業をする。やり方は同じ。一日に一本の線。ただ、人数が多い日には、いつもより少しはかどる。そんな風にしていくつもいくつもつくっていくうちにこれらの頼りないもの集合体が、密度の高い異様な作品になればいいと思っている。

 

 ボクは普段、室内で絵を描いたり、コラージュをしたり、ちょっとした立体作品をつくっている。一見すると森の作品とは別もののように思えるかもしれないが、実は一緒である。時間や行為、物質の重なりが、何モノかをつくりだす。別に特別なことじゃない。ただ、それらを可視化できないかと考えている。考えてみれば日々の事柄や今までの人生だって、同じような仕組みでできている。なんでもないことの積み重ねが、実は一番エキサイティングなんじゃないかなとボクは思っている。というか、それしかできない(笑)

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